♪再録・魔法の藤本陽一

2018年9月15日(土)
【人生の「F」(2013/09)】
人生の「F」(2013/09)

ギターのコードに「F」という押さえ方があります。写真をご参照頂きたいのですが、まず人差し指で6本の弦をすべて押さえ、さらにそのうちの3本の弦を中指・薬指・小指で押さえます。

これが初めはなかなかきちんと音が出ません。かと言ってこの押さえ方をずっと避けて演奏しようとするのは、全くバックをせずに自動車を運転しようとするのとほぼ等しく無理があります。何とか練習して音を出せるようにしなければなりません。
ほとんどの人が「力をどんなに入れてもきちんと押さえられない」と言います。ある程度コツはあるのですが、実際にやってみて勘をつかむしかないという点でも自動車のバックによく似ています。

さて、「力をどんなに入れても」なのですが、Fを押さえることの出来る僕の左手の握力は、実は30kgしかありません。ギターのサイズや弦の種類によって張力が違うため、押さえやすさ(押さえにくさ)に差があるものの、出る音に関して握力が直接それを左右する訳ではありません。これは勘をつかむ段階で実感することなのですが、実は力技ではないのです。

今回僕が言いたいのは「頑張ればFは弾ける」ということのもっと向こうにある・・・いや、「もっと手前にある」かも知れません・・・「何かを頑張っても頑張っても結果が出ないとき、それは努力が足りないのではなく、実は力技が通用しない内容なのではないか」ということなのです。

僕はこれまでにそれなりにいくつか仕事をしましたが、研修やテストを非常に頑張ったつもりがなかなか良い結果が出ないことがしばしばありました。頑張っても頑張っても報われず、世の中の人々はこんなに辛い思いをしてそれでも耐えているのかと思うと、こんなテンションでずっと生きていたら僕はもうすぐ死ぬかも知れないと思ったりもしました。

しかし、最近何かの拍子でまだ頑張れる気がしました。というのも、気を張りすぎて力技の力が尽きる前に「あれ?これってそんなに力要らないんじゃない?」と思った時に、意外にも物事が良い方向へ流れ始めたからなのです。

Fが鳴らせないことでギターをやめる人は、イライラしたり辛かったりして続けられなくなるという理由が多いのではないでしょうか。しかし、Fは辛くなんかありません。頑張っている途中で、力を入れるのではなく力の抜きどころにきっと気付きます。そうなるとその先はかなり楽です。そこまで気長に待てるかどうかということがその後を結構左右するんだなあ、と最近思います。

ギターを始めて33年経って、僕は大切なことをFから教わりました。

ところで、高校の頃Fを押さえられるようになって満足したので、というなかなか不思議な理由でギターをやめた先輩がいたのですが、いま頑張っていてなかなかFが鳴らない方、こういうタイプの人に出会っても決して惑わされてはいけませんよ。


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