♪月刊・魔法の藤本陽一

2016年5月1日(日)
【5月のお題・玄人裸足裸足】
「玄人裸足」という言葉があります。
「玄人が思わず裸足で逃げ出すような素人」=「プロもビビるアマ」という意味です。
僕は、自分がその「玄人裸足」であると思っているフシがあって(他人事かい)、メジャーの人と対バンしたに「君の後はやりにくい」などと言われたこともあり(自慢かい)、有頂天になっているフシがあります(やっぱり他人事かい)。
いえ、「ありました」と言うべきかも知れません。
先日、メジャーのアーティストさんではないのですが、とあるバーでピアノを弾いている方(それで生計を立てている方)の前で歌いました。

僕が20分ほど歌って1ステージを終えると、その方から「今からちょっと一緒にセッションしてみませんか?」と申し出がありました。特に何も考えず「ええ、やりましょう!」という感じで軽くセッションをしてみました。

もう一度言います。

軽くセッションをしてみました。

僕自身は「軽く」と思っていました。
曲を演奏している間は楽しかったのですが、1曲終えて「ありがとうございました♪」と挨拶を交わして間もなく、僕は怖さと恥ずかしさが入り混じったような、何ともいえない気持ちに襲われました。

僕の経験上、バーで演奏しているようなミュージシャンに(うまく言えませんが)「ロックンロール」な人はいません。少なくとも僕は出会ったことがありませんでした。もう少し説明に努力してみるならば「技術はあっても、攻撃性のあるような演奏をする人はいない」といったところでしょうか。ただ、実際にはバーではそういうものが求められないので、その必要がないのだと思います。

バーに限らず、自分より技術的に優れている人に会っても「この人はロックンロールじゃないから」という理由をつけて、自分が「玄人裸足」であると思っていました。あるいは、自分を納得させていた、と言っていいでしょう。

しかし、この日「バーでロックンロールなピアニスト」に出会ってしまったのです。バーでそれが成立するとは思っていなかったし、いよいよ自分を納得させるための理由もつけられなくなってしまいました。

僕は車に詳しくないのでこう喩えることが適切かどうか自信がありませんが、たとえ自分がどんなに道に詳しい一般ドライバーでも、人の荷物を預かったり、ひいては人の命を預かっているプロのドライバーさんがナビを使っていたとしても、それには勝てないと思うのです。

ところがこの日、道に詳しくてナビは要らないわ運転技術はあるわ、尚且つ荷物や命を預かるレベルのプロのドライバーさんに僕は出会ってしまった、とでも言えばいいでしょうか。

ところで、かなり昔にライブの帰りにある人に家まで送って貰ったのですが、その人はずっと携帯でメールをしながら運転をしていました。運転によっぽど自信があったのかも知れませんが、よくよく考えてみればこいつは人の命をなんだと思ってるんだろうか、と大いに疑問が湧いてきます。

音楽活動におけるこれまでの僕は、「携帯でメールをしながら運転できるオレはなんて器用なんだろう」と思っていた、とでも喩えればいいでしょうか。そしてそれを「玄人裸足」だと思っていたかも知れません。そこで神様が今回のような目に遭わせてくれたのだ、と今は解釈しています。

もしかしたら、そのピアニストさんが綺麗な女性だったからそう思っただけかも知れませんが・・・


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