平成23 年3 月15 日発表 日本産科婦人科学会からの情報 Q1: 被曝によりどのようなことが起こりますか? A1: 甲状腺がんの発症率が高くなります。 乳幼児や若年者では特に甲状腺がんの発症率が高くなります。しかし、被曝により発症したがんは比較的おだやかな性格を持ったがんとされ、治療なしでもゆっくりとしか進行しないとされています。40 歳以上では被曝してもあまり発症率は高くならないとも報告されています。被曝するとお腹の中の児(胎児といいます)の甲状腺にも悪影響がでます。 Q2: 被曝量と甲状腺がん発症には関係がありますか? もし、あるとしたら、どの程度被曝したら甲状腺がんになりやすくなるのでしょうか? A2: 被曝量が多いと甲状腺がんになりやすいとされています。 甲状腺がんになりやすくなる被曝量については50 ミリシーベルト(1 ミリシーベルトは1,000 マイクロシーベルトと同じ量ですので、マイクロシーベルトで表すと、50,000 マイクロシーベルト)以上とされています。 例えば、時間当たりの被曝量が2,000 マイクロシーベルトの環境にいると、25時間で総被曝量が50,000 マイクロシーベルトとなり、甲状腺がん発症の危険が高くなります。 Q3: 甲状腺がんの発症予防法はありますか? A3: ヨウ化カリウム錠(50mg 錠を2 錠)を被曝後なるべく早期に服用すると、予防効果があるとされています。 50 ミリシーベルト(50,000 マイクロシーベルト)以上の被曝を受けた40 歳以下の妊娠・授乳中女性にはヨウ化カリウム錠(50mg 錠)2 錠服用をお勧めします。通常(平常)時にはこの薬剤は医師により処方されます。インターネット等でヨードチンキやルゴール液を飲むと予防効果があるという噂がありますが、効果がありませんし、危険ですので、飲んではいけません。また、海藻類をたくさん摂取しても効果は限定的と考えられています。被曝量が50 ミリシーベルトより少ない場合にはにヨウ化カリウムを服用する必要はありません。 Q4: ヨウ化カリウム錠にはどのような副作用があるのでしょうか? A4: 甲状腺機能低下(甲状腺ホルモンが少なくなること)とアレルギー反応が心配されます。 成人の場合はあまり心配ないのですが、乳幼児では甲状腺機能低下が特に心配されます。また、妊娠中女性が服用すると、胎児に甲状腺機能低下が起こることがあります。胎児や乳幼児にとって甲状腺ホルモンは脳の発達に特に重要とされているホルモンです。したがって、妊娠中女性がヨウ化カリウムを服用した場合には児は出生後ただちに甲状腺機能の検査を受けます。同様に乳幼児がヨウ化カリウム投与を受けた場合にも甲状腺機能の検査を時々受けることになります。 ヨウ素過敏症とわかっている方、また過去にエックス検査時の造影剤でアレルギー反応を起こした方にはヨウ化カリウム服用はお勧めできません。 Q5: ヨウ化カリウムは一回だけ服用すればいいのですか? A5: 50 ミリシーベルト(50,000 マイクロシーベルト)以上被曝したが、既に安全な場所(大気の放射能汚染がない)に移動し、安全な水と食物(放射能汚染がない水と食物)を摂取している場合には50mg 錠を2 錠1 回服用(計100mgを一回)で十分です。 しかし、この薬剤の効果持続時間はだいたい24 時間です。再び50 ミリシーベルト(50,000 マイクロシーベルト)以上の被曝があった場合(例えば、25,000マイクロシーベルトの環境に2 時間いる)には同様にヨウ化カリウムを100mg服用します。しかし、妊娠中女性では胎児への副作用(赤ちゃんの甲状腺機能低下)も心配されるので、2 回目服用は特に慎重に行なうべきとの意見もあります。 Q6: その他、注意することはありますか? A6: 妊娠中もしくは授乳中の女性ではヨウ化カリウム服用が児の甲状腺機能低下につながる可能性があります。したがって、妊娠中ならびに授乳中の女性にあっては、ヨウ化カリウムを服用しないで済むよう、特に被曝量を少なくする工夫が重要です。線源(ここでは福島原発)から離れること(遠隔地への移動)が可能な状況であれば、それをお勧めします。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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