頂き物小説
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その答えは恋心に聞いてみな


出会えて良かった

なんて思うのは

なんて言えるのは

相手をどれだけ愛してる証拠なのだろうか

答えは恋心に聞いてみな












「母さん!母さん!」
「どうしたの?真守?」
「レジャーシートに赤い液体が付いてる!これって血?」
「何処?」

何年前かは忘れたけど、少なくは10年以上前のこと。

父親がいきなり、俺と真守を海に連れて行ってくれた時の話。

真守はレジャーシートで昼寝をしていたかと思い切や、母の方に慌てて近寄った。

「本当………。真守、怪我したんじゃないの?」
「ないよ。何処も痛くないし」
「可笑しいわね……」
「足の裏は?」
「え?」

真守は俺の言葉で胡座をかき、片足ずつ足の裏を見た。

「あっ!切れてる……」

やっぱりな。砂浜は貝殻や硝子のカケラが多いから絶対に切るだろうって思ってたのが現実になったみたいだ。

「ぎゃあああ!!蜘蛛!!キモイキモイー!!」

足を這い纏わる蜘蛛を真守は必死に掌で叩く。

本当に煩くて賑やかな奴だ。



そんな思い出、愛しさか悲しさか分かる訳なく。

残ってるのは確かなのは

「後悔」

な気がする。










時を戻して今現在。

「笹塚さーん!」

何の縁か海で起こった殺人事件をいつもの如く、石垣と調査しているとあの二人組がいた。

「笹塚さん、現場見学してもいいですか?」
「うん。いいよ……」

この二人組に任せたら必ず解決するのは分かっているから現場を見せるのはもう認めてる。

まあ、一応監視はしとくけど。








それにしても、彼女は彼女で大変だと思う。

水着を着ているから泳ぎに来たら、事件現場に出くわしたんだろうな。

昔に読んだ、シャーロックホームズでもなんでも名探偵は行く先、行く先事件に遭っている。

で、推理を見せて事件は無事解決。

疑問に思ったさ。



どんな確率で事件に遭ってるんだよ

と。

「笹塚刑事!先生がトリックが分かったようです!人を集めて下さい!」
「………了解」














「にしても、先生!今日も名推理でした!」
「うっ……そんなこと……どんなもんだい……!」

テントの中で弥子ちゃんは大量に買ってきたかき氷をしゃくしゃくと食べながら何処か後ろ向きの自慢げな言葉を漏らした。

「あれ……?テント、赤いシミが」
「………………」

もしかして。

「足の裏、切れてるんじゃない?」
「え?あっ!本当だ!!」
「絆創膏、貼っときな」


ポーチに入れてある、絆創膏を弥子ちゃんの小さく細い足に貼る。

「はい。いいよ」
「ありがとうございます!」



ほんの小さな、大切な思い出。

地球の誕生から今に至るまでの時間と比べたら何億分の1くらいの思い出だけど、それでも後悔ではなく幸せなものが小さな時間にはあるのだと。









最後に気付いてごめんね。















出会えて良かった

なんて思うのは

なんて言えるのは

相手をどれだけ愛してる証拠なのだろうか

答えは恋心に聞いてみな














End








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